「寝言に返事はいけない」って本当?その理由や怖い話、都市伝説に対し、多くの人が「どうして?」という疑問を持っています。夜、隣で眠る人の口から漏れる言葉に、つい返事をしてしまったら…そんな事を考えると怖いですよね。
結論から言うと、寝言への返事にまつわる怖い話の多くは迷信ですが、科学的な観点から見ても避けるべき理由が存在します。
この記事では、よく聞く怖い噂から、家族の寝言に不安を感じている方への対処法まで、皆さんが気になる情報を徹底的に解説します。この記事を読めば、寝言に関するモヤモヤした不安がきっと解消されるでしょう。
記事のポイント
- 寝言に返事をした人の怖い話・都市伝説
- 寝言に返事してはいけない心霊的・科学的理由
- 家族の寝言に不安を感じた時の具体的な対処法
- 睡眠の質を下げないための正しい知識
【厳選】寝言に返事をした人の怖い話2選と筆者の体験談

寝言への返事が、いかに恐ろしい事態を引き起こすのか……軽い気持ちで返事をしてしまったら、もう後戻りはできないかもしれません。ただの夢の話だと思って聞いていると、その考えが180度変わってしまうような、そんな話ばかりを集めてみました。全ては洒落怖へ投稿されたものです。
これらの投稿以外でも実際に「知らない声が聞こえた」「誰もいないはずの人と会話していた」「返事をした後、異変が起きた」といった内容が掲示板やSNSで見かけられます。
皆さんも、もし同じような状況になったらどうするか、考えながら読んでみてください。
寝言に返事してはいけない-妖精に連れて行かれた友人
寮での夏休み直前、テレビ室で雑魚寝していた一同は、Tという少し変わった女子の寝言に興味を持ち「なんで遊ばないの?」と返事をします。
するとTは「妖精さん」と答えながら激しくうなされ始め、悲鳴のように「嫌だ!助けて!」と叫び、肩を揺さぶっても起きず、機械のように何度も体を起こしては寝る奇妙な動作を繰り返します。
沈黙が訪れた後、友人がそっと声を掛けると普通に寝息をたて、安堵。しかし近づいて顔を見ると、Tは目を大きく見開き、唇を妙に横に引いた不気味な笑みを浮かべていた――それ以降、その笑顔が脳裏に焼き付き、Tは“何かに連れて行かれた”のではないかという恐怖が残りました。
参考:『寝言に返事してはいけない』|洒落怖名作まとめ【都市伝説系】怖い話・都市伝説 | 怪談ストーリーズ
寝言を言ってる人に話しかけてはいけない
これは、家族で川の字に寝ていた幼少期の体験談です。
ある夜、眠れず不安な気持ちで布団にくるまっていた投稿者は、弟が「何でこんな事に…」と寝言を言うのを聞いて驚きます。さらに布団から出ようとした瞬間、母が大声で「あんたのせいでしょー!!!」と叫び、仰向けのまま目を見開いていたのです。他の家族は寝ており、異様な光景に恐怖を感じた投稿者は翌朝、母に確認しますが、母は「何も覚えていない」と言います。
弟と母の寝言がまるで会話しているようだったこの出来事は、現実なのか夢なのか、いまだに謎のまま――という不気味な話です。
参考:【洒落怖】寝言を言ってる人に話しかけてはいけない - サンブログ
筆者の体験談
なぜか、母方の祖父母の家に泊まると、私はよく寝言を言っていたそうです。ただ、声がうるさいわけではなかったので、祖母・妹二人と一緒に畳の部屋で寝るのがいつものことでした。
その家は古く、畳の部屋の隣には洋間があり、その先には玄関とトイレ、廊下を挟んで居間と台所、そして反対側には2階に続く急な階段。畳の部屋にはクーラーはなかったのですが、庭の木陰で不思議と涼しく、私はその部屋が好きでした。
ある晩のことです。祖母が夜中に目を覚まし、トイレに行って部屋へ戻ると、私が布団の上に座っていたそうです。ぼんやりと。トイレかと思った祖母が「空いてるよ」と声をかけても返事がなく、もう一度呼びかけると、「うん」とだけ返して立ち上がり、部屋を出ていったとのこと。不思議に思った祖母が後を追うと、私は玄関の前でじっと扉を見つめて立ち尽くしていたそうです。あと一歩で外に出てしまいそうなほど、土間ギリギリの場所だったと。
「トイレは?」「うん」「いかないの?」「行くよ」と会話してトイレに向かった私。祖母は、寝ぼけているのかもしれないと気づき、トイレの前で私が出てくるのを待ってくれました。しかし私は、トイレを使うこともなく出てきて、そのまま居間へ向かい、しばらく座った後にまた立ち上がって玄関へ。そしてまた、じっと扉の前に立ち尽くしていたのです。祖母は、「このままではどこかへ行ってしまう」と思い、「もう寝ようね」と声をかけてくれました。私は「わかった」と返事をして、大人しく布団に戻ったそうです。
もちろん、私はその夜のことを一切覚えていません。自分が寝ながら歩き回っていたことを、後から聞かされて本当に驚きました。
でも何より今でもゾッとするのは――もし、あの時祖母が声をかけてくれなかったら、私は本当に、夜の外へ出て行ってしまっていたのかもしれない、ということです。
他だと返事をしてはいけない、という内容が多いので、声をかけてもらって良かったという、少しめずらしいパターンかなと思います。
寝言に返事してはいけない理由とは?怖い話の背景を解説
なぜ「寝言に返事をしてはいけない」のでしょうか。その背景には、昔から伝わる心霊的な言い伝えと、現代の科学的な見解の2つが存在します。怖い話が生まれる理由となった迷信と、人の睡眠のメカニズムに基づいた現実的な理由の両面から、その真相を解説していきます。
これらの理由を知ることで、ただ怖がるだけでなく、寝言という現象に対してより深く理解できるようになるでしょう。心霊的な話が苦手な方も、科学的な理由だけでも知っておくと、今後の対応に役立つかもしれません。
心霊的な理由|違う世界の者と繋がってしまう言い伝え
心霊的な観点から「寝言に返事してはいけない」と言われる最大の理由は、「話している相手が、この世の人間ではないかもしれないから」です。
古くからの迷信や言い伝えでは、睡眠中の人間は肉体と魂が分離しかけている、非常に無防備な状態だと考えられてきました。夢を見ている時、人の意識は現実とは違う世界にあり、そこでは時に、霊や妖怪、あるいは既に亡くなった人といった、超常的な存在とコミュニケーションをとっている、とされてきたのです。つまり、寝言とは、そういった「違う世界の者」との会話が、現実世界に漏れ出している状態というわけです。
そんな時に、もしあなたが返事をしてしまったらどうなるでしょうか。向こう側の存在は、「あ、こちら側の世界の人間が自分を認識した」と感じてしまいます。そうなると、あなたに興味を持ってしまったり、最悪の場合、あなたを自分たちの世界に引きずり込もうとしたり、あるいはあなたに取り憑いてしまったりする…と考えられているのです。
寝言を言っていた本人は覚えていなくても、返事をしたあなただけが、その後の怪奇現象に悩まされる、なんて事態になりかねません。これが、寝言に返事をすることがタブーとされる、最もポピュラーな心霊的理由です。
科学的な理由|ノンレム睡眠とレム睡眠の違い
心霊的な話はちょっと…という方も、科学的な理由を知れば納得できるかもしれません。寝言に返事をしない方が良い理由は、睡眠のメカニズム、特に「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」に関係しています。
人の眠りには、深い眠りの「ノンレム睡眠」と、浅い眠りの「レム睡眠」があり、これを一晩に数回繰り返しています。夢をよく見るのは、脳が活発に動いているレム睡眠の時です。一方、寝言の多くは、脳が休息しているノンレム睡眠の時に起こりやすいと言われています。
ノンレム睡眠時の寝言は、意味の通らないうわ言や、短い単語であることが多いです。この状態の脳は、情報を整理したり記憶を定着させたりしている、非常にデリケートな状態。そんな時に外部から「返事」という形で強い刺激を与えてしまうと、脳の正常な活動を妨げてしまう可能性があるのです。脳が混乱し、睡眠の質を著しく低下させてしまう恐れがあります。
浅い眠りのレム睡眠時の寝言(比較的ハッキリとした内容の会話など)であっても、話しかけることで脳を覚醒させてしまい、深い眠りへの移行を邪魔してしまうことにつながります。
つまり、相手の体を思って、良質な睡眠を妨げないためにも、寝言には反応せずそっとしておくのが科学的に見てもベストな選択と言えるのです。
寝言を言う人の精神状態に返事が与える影響
寝言の内容は、その人が日中に感じたストレスや不安、強い感情などが反映されることが多いと言われています。特に、うなされたり、叫んだりするような寝言は、精神的な負担が大きい時に見られがちです。
そんな心理的に不安定な状態で発せられた寝言に対し、もしあなたが返事をしてしまったら、相手に予期せぬ影響を与えてしまうかもしれません。例えば、悪夢にうなされている人に対し、「大丈夫?」と話しかけたとします。その声が、夢の中では怪物や敵の声に変換されて聞こえてしまい、余計に恐怖を煽ってしまう可能性が考えられます。また、睡眠中の脳は非常に無防備な状態です。そこに投げかけられた言葉が、本人の意図しない形で潜在意識に刷り込まれてしまう「睡眠学習」に近い現象が起こることも、理論上はあり得ます。
ポジティブな言葉ならまだしも、返事の内容によっては、起きた後に何となく気分が落ち込んだり、不安感が残ったりする原因にならないとも限りません。本人は何が原因か分からないまま、不調を感じ続けることになってしまうのです。
このように、寝言への返事は、相手の精神状態を悪化させてしまうリスクをはらんでいます。相手を思いやる気持ちからだとしても、安易に話しかけるのは避けた方が賢明でしょう。
「魂が抜かれる」と言われるのはなぜ?迷信の理由を考察
「寝言に返事をすると魂が抜かれる」という迷信は、昔の人が睡眠という現象をどのように捉えていたかを考えると、その理由が見えてきます。
昔の人々にとって、睡眠は「一時的な死」に近い状態だと考えられていました。意識がなくなり、体も動かなくなる睡眠状態は、生きているのか死んでいるのか分からない、非常に不思議で神秘的な現象だったのです。そして、夢を見ている時、人の魂は体を離れて別の世界を旅している、という「体外離脱」の考え方が広く信じられていました。
寝言は、その旅先での出来事が口から漏れているもの。そんな時に現実世界から声をかけられると、旅に出ていた魂がびっくりして、自分の体に戻るべき道を見失ってしまう、と考えられたのです。自分の体に戻れなくなった魂は、そのまま消えてしまうか、この世をさまよう…これが「魂が抜かれる」という表現になったのでしょう。
また、昔の家は現代と違って隙間が多く、夜は本当に真っ暗でした。そんな中で聞こえる寝言は、それ自体が不気味なもの。それに返事をするという行為は、静寂を破り、闇の中にいる「何か」の注意を引いてしまう、と考えられたのかもしれません。
科学的な知識がなかった時代の人々が、睡眠という未知の現象を説明し、そこにある種のルールを設けるために生み出した、生活の知恵のようなものだったのではないでしょうか。
パートナーの寝言への対処法|怖い話を気にしないためにできること
家族やパートナーが寝言を言うたびに、怖い話を思い出して不安になっていませんか。毎晩のこととなると、気になって自分まで眠れなくなってしまいますよね。ここでは、寝言に対して過度に怖がらずに済むための具体的な対処法や考え方をご紹介します。
正しく対処すれば、怖い話は気にならなくなり、安心して夜を過ごせるようになるはずです。大切なのは、現象を正しく理解し、冷静に対応することです。いくつかの簡単なステップを試してみましょう。
まずは返事しないで優しく見守りましょう
パートナーや家族が寝言を言っている時に、まず心がけるべき最も大切なことは、「返事をしない」そして「優しく見守る」ことです。
怖い話を知っていると、何か不吉なことが起きるのではないかと不安になるかもしれません。しかし、科学的な観点からも、睡眠中の脳は非常にデリケートな状態であり、外部からの刺激は安眠を妨げる原因になります。相手の体をいたわるという意味でも、そっとしておくのが一番の優しさです。
もし、苦しそうな寝言を言っていたとしても、無理に体を揺さぶって起こすのは避けましょう。急に覚醒させると、脳が混乱してしまったり、悪夢の内容と現実がごちゃ混ぜになって恐怖を感じたりすることがあります。もしどうしても心配な場合は、優しく背中をさすってあげたり、部屋の温度を調節してあげたりと、間接的な方法で安心できる環境を整えてあげるのが良いでしょう。
多くの場合、寝言は一時的なもので、しばらくすればまた静かな寝息に変わります。「これは睡眠中に起こる自然な現象なんだ」と自分に言い聞かせ、冷静に見守る姿勢を保つことが、自分自身の心の平穏を保つためにも重要です。
はっきりとした内容を話していたら?起きてから聞いてみる
もし寝言の内容が非常にハッキリしていて、何か重要な事を話しているように感じた場合、その場で返事をするのではなく、相手が起きてから聞いてみるのが良いでしょう。
例えば、「〇〇を忘れないで」とか、誰かの名前を繰り返し呼んでいるような場合、何か気になっていることがあるのかもしれません。その場で内容をメモしておき、翌朝、「そういえば、昨日の夜こんなことを言ってたけど、何か気になることでもある?」と、さりげなく聞いてみるのです。もしかしたら、本人が忘れていた大切な用事を思い出したり、抱えていた悩みを打ち明けるきっかけになったりするかもしれません。
ただし、この時に「寝言でこんな怖いこと言ってたよ!」と面白おかしく指摘するのは避けるべきです。言われた本人は、自分の無意識の行動を指摘されて恥ずかしい思いをしたり、不安に感じたりする可能性があります。「ちょっと気になっただけなんだけど」というスタンスで、相手を責めないように配慮することが大切です。
あくまでも、コミュニケーションの一環として、相手を理解するための情報と捉えるのが良い関係を築くコツです。そうすれば、寝言が怖いものではなく、パートナーをより深く知るための一つのきっかけに変わるかもしれません。
寝言の内容を記録してみることで分かること
寝言が頻繁で気になる場合、一度その内容を記録してみるのも有効な対処法の一つです。
スマートフォンアプリなどには、いびきや寝言を録音できるものが多くあります。こうしたツールを使ってみると、客観的なデータとして寝言を分析することができます。
記録することで、例えば「仕事で大きなプロジェクトを抱えている時期に寝言が増える」「特定の曜日によく寝言を言う」といった、生活リズムやストレスとの関連性が見えてくるかもしれません。原因が分かれば、対策も立てやすくなります。
また、「怖いことを言っている」と思っていたけれど、実際に録音を聞いてみたら、何を言っているか分からないモゴモゴとした声だった、というケースも少なくありません。自分の思い込みや不安が、寝言をより怖いものに感じさせていただけだった、と気づくこともできるでしょう。さらに、記録したデータを本人に聞かせることで、寝言を言っている自覚を持ってもらうきっかけにもなります。
ただし、これも相手の許可なく行うのはプライバシーの侵害になる可能性があるので、「寝言が心配だから、一度一緒に聞いてみない?」と提案する形をとるのが望ましいでしょう。
あまりにひどい場合は病気の可能性も?専門医への相談も検討
ほとんどの寝言は生理現象であり、心配する必要はありません。しかし、あまりにも頻度が多かったり、内容が異常だったりする場合は、睡眠障害のサインである可能性も考えられます。
例えば、以下のようなケースは注意が必要です。
- 毎晩のように、大声で叫んだり、暴れたりする。
- 寝言だけでなく、睡眠中に起き上がって歩き回る(夢遊病)。
- 寝言のせいで本人やパートナーの睡眠が著しく妨げられ、日中の生活に支障が出ている。
- 呼吸が止まっているような状態(睡眠時無呼吸症候群)と一緒に寝言が見られる。
このような症状が見られる場合、「レム睡眠行動障害」といった特定の睡眠障害が隠れている可能性があります。怖い話や迷信を信じて放置するのではなく、一度、睡眠外来や精神科、心療内科といった専門医に相談することをおすすめします。専門家による正しい診断と治療を受けることで、症状が劇的に改善することもあります。パートナーや家族の健康を守るためにも、ただ怖がるだけでなく、医学的なアプローチを検討することは非常に重要です。専門家に相談することは、決して大げさなことではありません。
まとめ|寝言に返事にまつわる怖い話はエンタメとして楽しもう
この記事では、寝言に返事をすることにまつわる怖い話から、その心霊的・科学的な理由、そして具体的な対処法までを詳しく解説しました。多くの怖い話は、睡眠という神秘的な現象に対する昔の人の想像力が生んだ都市伝説や迷信です。
しかし、睡眠中のデリケートな脳の状態を考えると、むやみに話しかけるのは相手の安眠を妨げる可能性があり、科学的にも避けた方が良いと言えるでしょう。
怖い話はあくまでエンターテイメントとして楽しみつつ、正しい知識を持って冷静に対応することが大切です。この記事の情報が、皆さんの夜の不安を少しでも和らげる一助となれば幸いです。